CRT栃木放送 鈴木智の栃木の元気「もの造りの空中ブランコ」 2018年01月15日

ソフトシーデーシーの取り組みと、木村社長の考える800年計画

鈴木:ということで、木村社長にお選びいただいたのがヨハン・シュトラウスの『美しき青きドナウ』。

木村:これは『2001年宇宙の旅』で、宇宙船のオリオンを宇宙ステーションにドッキングするときに流れてた曲なんですね。そこで出てきたのが、今のAIスピーカーの前身であるHALでして。IoTもその中に出てきてですね。コンピュータから電子機器を、椅子とかの色んなものを操作するというのをやってたんです。ああ、面白そうだなと思って。これをやりたいなと思った時に……。

鈴木:じゃあ人生を変えたいという思いで……。これ、舞踏会で皆さん踊るような曲だけど、キューブリック監督はこういう風に使ったので、そういう命も吹き込まれているような。

木村:なんとなく宇宙っぽい感じもしなくはないですよね。

鈴木:そうですね。そういう風に聴くと、っていうのもあるけど、そういう選曲がいいんですよ。ドナウ川の曲を聴いていただいたんですけど。ソフトシーデーシーさんとしては、社長のユニークさっていうのをこの間、講演会で自分の意見をアバターに映していて、ちょっと遊び心も感じられるんですけども。御社を知ったのは、何年か前にテレドロイドという技術で。すごいことを考える人もいるもんだと。

木村:そうですね。テレドロイドっていううちの商品名なんですけども。

鈴木:どういうことなんですか。

木村:テレはテレホンのテレで、遠隔で動かすドロイド、まあロボットなんですけど。IoTもそうなんですけど、そういったロボットを遠隔からコントロールして。楽しいこととか役立つことをしましょうね、という。そういうことを実現するためのソフトがテレドロイドなんですけど。

鈴木:それを開発されたってことなんですね。今どんなふうに使われているんですか。

木村:そうですね、工場系で使っていただいて、色々な情報を集めてきて。リアルタイムでデータをためるとかですね。あとはお味噌屋さんで使っていただいてですね。

鈴木:ん、味噌屋。

木村:はい。あと監視系で使っていただいて、色んな人の動きを監視して、おかしい動きをした時に通報するとか、ですね。そんなこともやってます。

鈴木:それは、防犯とかヒューマンエラーを……。

木村:そうですね。

鈴木:じゃあ、ある意味色々なことがそれでできるんですね。

木村:そうですね。今、スマホの中にコントロールするアプリケーションがあるんですけど。これから先どんどん開発されていくと、そこにAIが加わり色々と便利なことができてくると思うんですよ。それの前身みたいなやつだと思ってください。

鈴木:じゃあ、そのテレドロイドのバージョンいくつみたいな、どんどん進化して……。

木村:進化して、ロボットとかAIにドッキングしていくと、これから面白いことになっていくと。

鈴木:面白いですね。是非ご一緒したいような、私もちょっとした経営コンサルタントみたいなもんなんですけど。「こんなことできますか」って言ったら、大概のエンジニアの人って「できる」って言うんですよ。「できる」って言うんだけど、なんで商品化されてないかっていうと、さっきの空中ブランコなんですよ。

木村:そうですね。できてもコストが高いとか、維持費が高いとか、取り扱いが非常に難しいとか。色んな要因でできなくなっちゃうってことなんですけど。

鈴木:それは色んな人の知恵を入れながら、全然違う視点から、助ける何かが起きたりとか。やっぱり人の輪っていうかですね、ネットワークっていうのは大事だと思うんですけど。ソフトシーデーシーさんってテレドロイドの他に何をやってるんですか。それだけやってるわけじゃないですよね。

木村:コンピュータのソフトウェアを作るっていうのがうちの会社なんですけど。その他に色んなコンピュータのソフトを使って、ハードウェアを色々制御するので。色んな会社さんと、共同的な研究をやってます。後は、工作機械屋さんとソフトをくっつけて新しい商品を作る、とか。例えば自転車屋さんと組んで自転車のシミュレーションみたいなものを作る、とか。分野ごとに色んなハードウェア作ってる方がいらっしゃるんで、そこをちょっと合理化したり、いいソフトウェアを作って、違う商品に変えていったりして。そういったドッキングする技術と技術を空中ブランコで、こう繋いでいくような、そういうサービスをやらせていただいております。

鈴木:なかなか高度なお仕事というか。でもそれは製造業の現場の方が「こういうの困ってんだけど……」ってところから始まったりするんですか。

木村:そうですね。困ってることがあって、それが手短に解決できればいいわけで。そのためにコンピュータとソフトウェアを使って色々やったりするとか。最近、いいツールとしてはIoTが出てきてるんで、IoTグッズを使ってあげて、ものから何かの報告させるとかですね。結構自由にできるようになってきたんで。安くできるようになってきてますから。

鈴木:打ち合わせのときに言っておられましたが、800年かかるんじゃないですか、社長のやりたいこと全部やるには。

木村:この間、計画立ててみたら、色んなやりたいことがいっぱいありましてね。800年くらいかかっちゃいそうなんで。

鈴木:800年生きるしかないですか。

木村:生きるしかないですね。800年生きたいと思うんですけど。今はどんどん年齢上がってきてますから。でも800年はちょっと難しいかもしれないんで、じゃあ脳みそだけ移植しちゃおうかなと。

鈴木:ああ、脳みそって電気の塊ですもんね。やる方法もなんとなく検討ついてるんですね。

木村:考え方が色々あって。色んな方が色んな研究されてると思うんです。だから、自分の考え方とか、思考とか、そういうのをある程度残して電子的なものと結合していけばある程度は実現可能なんじゃないかと。

鈴木:もの造りの現場なんかで、その方の考え方とか、言葉にできないようなコツとか、そういうのって次の世代になかなか引き継げないっていうのが課題なんですけど。もしかしたら、そういうものを使えばITによってできるかもしれないんですよね。

木村:そうですね。今までは教えたことしかできなかったんですよ、AIって言ってもですね。ところがこれから先は、コンピュータ自らが考えて、新しいものを創造していくようなこともできるようになるかもしれないですね。

鈴木:そうですね。なんか面白い時代に進んでるんですね。

木村:どんどん情報が急加速してるんで。シンギュラリティとかいって、30年後にAIが人間の脳みそを追い越す時代が来た時に、情報革命が起こるっていう話があるんですけど。まさにその一歩手前みたいなものでですね。去年あたりからAIスピーカーが世の中に出てきてるっていう、夜明けがですね。身近にAIが世の中に出てきてるちょうど第一歩くらいかなと。

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